2017年 03月 07日
APPI URUSHI WORKS (3月11日、12日)清澄白河
「漆は怖いですか?」というタイトルの企画をしたことがあります。実際、「傷つきそう」「高い」「どれがいいものなのか、わからない」など、言われる方も多いです。初めてのものに腰がひけるのは当然。まず、最初の一歩に、この安比塗はいかがでしょうか。
一滴一滴、地道に採った貴重で高価な漆の樹液を、さらに塗っては研ぎ、塗っては研ぎ(なぜ、研ぐの?というご質問はごもっとも。漆の塗り重ねる時に次の漆の食いつきをよくするためなのです)、薄い塗膜を重ねていく地道な作業だからこそ生まれる、独特の質感。そして、何より、使い込むことでツヤが増し、どんどん<自分の漆>になっていく。
漆の質感を楽しみ、触感を楽しみ、育っていく変化を楽しむ。これが、漆の醍醐味です。
安比塗漆器工房の漆器は、漆の樹液の採取量全国一の岩手県で、30年以上塗師を育てている産地ならではの、ちょっと生真面目なうつわです。少しでも手が出しやすい価格にするため、下地は中国産の漆ですが、こちらも、自分たちで精製して、納得のいく下地です。仕上げの上塗りはもちろん地元産。
「はじめの一歩」をぜひ、踏み出し、漆のある豊かさを味わってください。
by utsuwa_cafe | 2017-03-07 18:00 | 【展示会情報】