2011年 05月 13日
うつわのチカラ
今も毎日、新聞を読んでは途方に暮れ、涙がにじみ出てくる。
結局、この2ヶ月、自分のことしかしていなかった…と
無力感に苛まれることしばしば。
地震直後、益子の知人に連絡して、一番に言われたのは
「東京のマーケットが冷え込まない様にしてください!」。
しかし、人間の心は一筋縄では行かず、1ヶ月ぐらいはとてもとても
うつわを買う気分にはなれなかった。ギャラリーの企画展も
軒並み延期。でも、今から思い返すと、それは仕方なかったことだ。
もちろん、うつわをつくる人はうつわが売れないと生活出来ない。
問屋も売らないと生活出来ない。でも一瞬にして<生活>を奪われた
人がこれだけいることを思うと、「うつわを買うなら、募金しよう」
という気分だった。
一ヶ月過ぎたころから、どうにか塞いだ気分が晴れて来て
元通りの生活に戻って来た気がする。
でも、そんなかなでも常に「何かしなくていいのか?」
徒労感がいつもつきまとっていた。
そんな中、友人のミウラくんから「仙台の友人から」とメッセージを
伝わって来た。最初は、そのお友達が使う器がないので、日々の器が
欲しい…ということかと思っていたのだけれど、直接やり取りして
いくうちに、違うことが解って来た。
借りものでも間に合わせでもない、自分専用の食器があることで
こんなにも心が癒されるのだと感じました。
友人たちも皆口をそろえて食器が割れたのがショックだと言い続けています。
どうやら、食器には特別な力があるらしい
…と最近やっと気付いたというわけです。
うつわを生業としている人間として、こんなに嬉しいことはない。
益子に震災後1週間ぐらいで行った時、何もしなかったけど
「生身の人間」がその現場に行く程、説得力があることはないことは解った。
顔を会わせて話す、ということは何にも増して強い。
なので、器を生業とする(つくる人、売る人)に声をかけ、
仙台にうつわのイベントをしたい…と、今日、思った。
お店をやっているとお店を休めない人もいるだろうけど
何人かで行けたらいいな…と思う。
数時間前のやり取りで、勢いで書いているので、まったくの白紙。
やり方も、日取りも、メンバーも。
でも、やります。
うつわのチカラを語ってくれ、背中を押してくれた、仙台のヒロミさんに感謝!
今週末は倉敷〜姫路〜大阪で、帰りは夜行バスで帰宅。
その間に、考えまとめよっと。
by utsuwa_cafe | 2011-05-13 01:24 | わののわ